「母のできる支援」について気になるというコメントをいただきました。
記事を読んでくださり、ありがとうございます。
せっかく、コメントいただいたのに、なかなか記事を更新できずに本当に申し訳ないです・・m(__)m
今回は、次男の小学校生活の様子と私がしてきたアプローチについて書いてみようと思います。
もくじ
場面緘黙症 母がしてきたこと。学校編
次男もとうとう小6になりました。早いもので緘黙とお付き合いして、もう9年近くになりますね。。来年はいよいよ中学生です。 小学校生活から、大きく環境が変わる転換期です。ここが勝負だと思っています!
逆にいうと、現在は 話せない次男のことを学校も友達も受け入れてくれている、ある意味 恵まれた環境にいるため。小学生の間は、このまま話さず終わるかなと思っています。
緘黙と気づいた幼稚園のときに比べれば、はるかに表情の硬さもとれ、家庭内で発する声も随分大きくなり、ネガティブ思考もだいぶ改善されてきました。
限られた子に限られた場面でなら少しだけ話せるようになったり、学年によって積極的に動ける年があったり、控えめな年だったりを繰り返す中、彼なりに少しずつ成長はしているのだと思います。
でも、依然 クラスみんなの前では話せませんし、学年がかわるたび担任が変わるたび、また先生や仲間に馴れるところから・・ 振り出しに戻ります。
だけど、学校で話せないことで、一番 母が気にしていたイジメや不登校等の二次障害には陥らずに、ここまで過ごせてきました。学校の先生方にも、お友達にも感謝です。
今回はそんな6年間。「母は学校に対して、どんなアプローチをしてきたのか?」について、振り返ってみます。
入学時
入学前は、学校に何度も足を運びました。就学前相談です。コーディネーターの先生、支援級の先生、校長先生ともお話しました。
場面緘黙は、いつしか支援級の対象となったようで 本人をつれて支援級の見学にも行きましたし。入学前には、はじめての環境に不安を抱かないように、特別に 事前に教室に入れてもらい雰囲気もみせてもらいました。
うちには、兄がいましたので、場になれされるため、学校行事には極力 次男も連れていきました。
学校の先生方には、支援級を進められましたが、本人の意向と当時信頼を寄せていた先生の後押し、家族の意見を踏まえて普通級に進みました。
今振り返っても、普通級に進んで良かった と思っています。
入学前 先生方には、息子の今までの経緯、状況、幼稚園時代でのクラスでの様子などを伝えました。口で伝えるだけでけでは、そのときの先生の受け止め方により違いもでると思うので。お手紙に記しています。
進級時
学年があがるたびに 担任は変わるので、毎年、毎年 年度初めには、新しい担任の先生に向けてお手紙をかきました。
場面緘黙症といっても、ご存知ない先生も多いでしょう。当然、対応の仕方もわからないでしょう。
ですので、場面緘黙への知識と理解を得るために、
- 場面緘黙症の絵本
- かんもくネットのリーフレット
- 担任の先生にあてた手紙
この3点を4年生までは、毎年、先生へ手渡していきました。
5年生からは、中学を少し意識して こちらから守りすぎるのもよくないかと「担任の先生宛への手紙」は渡すのはやめにしました。
本人も小学生の生活にだいぶ慣れましたし。先生の間でも、引き継ぎはあるでしょうし。
最低限、場面緘黙を知ってもらうために絵本とプリントだけは渡しています。
絵本
なぜ絵本なのか?
以前に目にした絵本の口コミには、たいした情報がないと「ネガティブな意見」もありましたが。私は たいした情報がないから、いいのだと思っています。
いつも忙しい先生方に、場面緘黙症を知ってもらうために 分厚い小難しい本を渡して読んでもらえるでしょうか? 熱心な先生は読んで勉強してくれるでしょうが、とても負担をかけることになります。
絵本であれば、忙しい先生でもすぐに目を通すことができるし。感覚的に捉えてもらうこともできます。
そして、この絵本のいいところは、後ろに 簡単ではあるけれど、場面緘黙症についての専門的な解説がのっています。
多すぎない情報量であれば、先生も目をとおしてくれるでしょう。
ちなみに、幼稚園の年長のときの先生にも、絵本を読んでもらったのですが。
当時の先生が、「お母さん、私 この本よんで感動して涙が出ました。絵本っていいですね。」と言われたのが印象的でした。
短いお話ですが。絵本だからこそ 緘黙の子の困り感というか気持ち、感情がよく表現されている本だと思います。
言葉の説明だけでは伝わらないものが、絵本からは伝わると思います。
言葉で色々説明するよりも、本人の気持ちが少しでも先生に理解してもらえれば、先生なりのサポートのあり方が見えてくるのではないでしょうか?
絵本はこちら:なっちゃんの声 学校で話せない子どもたちの理解のために [ はやしみこ ]
かんもくネットのリーフレット
緘黙といえば、かんもくネットですね。とても有名なサイトです。
こちらのリーフレット (緘黙を理解してもらうための配布用の解説書があります) の大切なところに赤線をひいて先生に渡しています。
リーフレットタイプになっていて、緘黙の理解を得るための情報がコンパクトにまとまっています。
担任の先生への手紙
手紙にはどんなことを書いたかというと、
- うちの息子はどんな子なのか?
- 場面緘黙な今までの経緯、エピソード、どういう特性があって どんな場面で困るのか?
- 先生にどう対応してほしいのか?
といった内容です。
一斉指示の通りづらい (口頭指示では伝わりづらい) 息子は、どうしていいか わからなくなり不安、緊張の高まるタイプ。
- 近くの席には、見てわかるようにお手本になるような静香ちゃんや、できすぎ君を配置してほしい
- 不安にならないように、最初は なるべく仲のよい子を近くの席にしてほしい
- 話すことを無理強いさせない、強要しない でほしい
と言った具合です。 もちろんできる範囲でね。
ちなみに、以前に通級指導の先生がこんなことをおっしゃってました。
先生からすると、「親御さんが、どうして欲しいといってくれるほうが助かる」と。
まぁ、たしかにだよね。 一番、子どもを見てきているのは親だし、ましてや場面緘黙症の対応法なんて先生だって知らないだろうし。。
毎年、年度はじめに、この3点セットを手渡して。あとは、通級ノートで日々の様子を担任、通級の先生と共有していきました。
こんなことを繰り返し、いよいよ最終学年になりました。お陰様で、先生方にもお友達にも理解をえられ、病気以外で休むことなく6年間過ごしてきました。
何が正解なのかは、わからない。
だけれども、イジメられたり 居心地が悪くて 自信をなくして不登校になったりせずに、ここまでこれただけ良しという感じでしょうか?
場面緘黙症 次男の小学校生活
5年生だった昨年は心配していた八ヶ岳への「一泊二日」の自然教室も体験しました。
話せない次男には、初めての場所で勝手もわからないし泊まりなんて苦痛なのかな?と心配しましたが、母が思うほどではなかったようです。 まぁまぁ、それなりに楽しめた様子でした。
(唯一、仲良しの子とは同じグループにしてもらう配慮はいただきました。)
今年は、また新しいクラスで日光への修学旅行も控えています。
普段の授業では、昔と違って、先生の授業を一方的にきく姿勢ではなく、発表の場を多く求められるようになった小学生の授業です。
話せない次男はどうしているのか?
近くの子が世話をやいてくれて、次男の意見をきいて代弁してくれる年もあれば。
仲良しの子と同じグループに配慮をいただいて、発表してくれる友達の脇でカンペをだしたり黒子役として参加したりしています。
そんなこんなで、気づけば最終学年になりました。小学校生活にもだいぶ慣れました。
一斉指示の通りにくい、先の見通せない次男にとっては、学校生活のルーティンがつかめてくるとだいぶ安心して過ごせるようになったのかな?と思います。
そして、いつしか子どもたちの中では、話せない次男を子どもたちになり「あーゆー子なんだ」という認識ができているのでしょうね。みんなにフォローされながら、なんとなく受け入れもらってるように思います。
休み時間といえば、自分のペースでというか 他の子と交われないからか? 一人で過ごすことも多いと思いますが、時には 仲良しの子と二人で話をして (次男が声を発しているのか?はわかりませんが) 笑顔もみられる様子があったり、数人で鬼ごっこをしていることもあるようです。
なにげに、(鬼滅の)カナヲと呼ばれていたこともあったようです (本人談)。 そーいや、刀鍛冶編のはじめに、カナヲも喋ったんですよね〜。うちのカナヲもある日、突然 あんな風に話せるんじゃないかと妄想する母でした(T_T)
昨年の担任もいっておりましたが。 前期 担任の先生が 授業の合間、合間に 話せないし、指示の伝わりづらい次男にサポートする姿をみて。
後期は子どもたちが先生の様子を見様見真似で、次男に同じようにサポートしてくれる姿がみられたとか。
体育でパスがうまくいくと「ナイス パス!」と声をかけてもらえたりとか。子どもたちなりに、次男を受け入れてくれているようです。
確か、三年生のときにもこんな様子がありましたね。
場面緘黙症 最近の課題
いまだ話せない次男ですが、話すことを強要されることもなく、
話せない自分を受け入れてもらえているので、今の生活に不自由は感じていないようです。
とても、ありがたい反面、ぬるま湯状態です。
話さなくてもなんとかなる状態。 困らない状態なんですね。
基本、話したくない本人。 話さなくてもいいわけですから。話そうと努力はしない状態なんです。克服しようと頑張らなくてもいい状態なんです。
不安を取り除かなければいけないという意味では、正解であって。とても恵まれた環境になったわけですが。
このままでいいのだろうか・・? (新たな課題が。。)
来年は、中学。 小学校ほど学校側からのサポートもなくなるでしょうし。教科ごとに先生も変わるわけで、担任に事情を伝えても、各教科担任には行き届かないでしょう。
中学ですから、昔ながらの理不尽な先生もまぁまぁいるわけで。
そこで、話せず黙っている次男はやっていけるのか? 罵倒されてメンタル落ちないか?
ちなみに、中学生の長男のところに 今年から来た おばあちゃん先生。 姿勢やしつけにうるさく、返事の声が小さいと、何度もやり直し。授業が進まいとか・・。子どもたちウンザリみたいな。 昔は当たり前でしたけどね。
小学生の間は、先生方のフォローが比較的 手厚いですが。小学校とのギャップというか。。中学になれば、昔ながらのこういう先生もまだまだいますよね。しつけ自体は悪いとは思いませんが、ちょっと度が過ぎてるんですよね。 こういう先生にあたり悪いイメージを持たれたり、本人メンタル落ちるのが一番心配です。
また、言葉で説明しろ的なことを言われ、うちの長男も「自分の考えをまとめて話す = 言葉で表現すること」が苦手なんで、「なんて言っていいか わからないから答えられないのに・・。 なのに怒られるんだよね。」と不満げ。
「きっと、次男も困るよ! (同じクラスの) Bくんみたいに もともと話すが苦手な子に対して、何度もやり直しさせて、それで授業が何も進まないって のはおかしいんじゃないのかっ? 」
と不満をたれておりましたね。
そして、複数の小学校が統合される中学ですがら、良くも悪くも次男のことを知らない仲間もたくさん増えるわけです。 来年からは、今みたいに ぬるま湯ではいられなくなることを思うと。
今年は、もう一歩踏み込んで、本人の意識を変えさせるというか? 時には、話さなくてはいけない環境も必要なのかな?と思っているここ数年の母です。 今年は少し攻めてみましょうか?!
その対応がいいのかは、わかりませんが。。
まとめ
母ができることとしては、学校の先生に「場面緘黙症への理解」をきちんとしてもらうこと。先生に協力をいただくことで、イジメや不登校のリスクはぐっと減ると思います。
ただ、今年の担任の先生は、熱い感じがするので(笑) 少し担任の先生の協力を仰いで、なんとか 次男が積極的に参加できる場を設定できないかなと、ただいま模索中です。。
今回は、学校に対して私がしてきたことについて書いてみましたが、次回は「場面緘黙症 母がしてきたこと。放課後編」について、書いてみようと思います。