今回は、場面緘黙症についてのお話。 場面緘黙症って、知ってる人 どれくらいいるのだろうか? 知らない人のが多いと思う・・。 うちの次男は、場面緘黙症。年少さんあたりから、違和感を感じ診断を受けたのは年中だったかな? いよいよ緘黙歴、7年目突入・・。緩やかに改善傾向にはありますが、まだ人前では話せません。 このブログでは、
- ただの恥かしがりやじゃない、場面緘黙症を知ってほしい
- そばに話せないお友達がいたら、あたたかい理解があると嬉しい
- 治ったキッカケって、どんな感じなんだろう? わかりやすい体験談みつけた
場面緘黙症について、我が家のエピソードを交えながら わかりやすく理解するための情報をまとめてみました。 「うちの子 話さないので心配・・。」と不安を持たれるママへ届くといいな。
もくじ
場面緘黙症 (ばめん かんくもくしょう) とは?
Case1
- うちの子、園や学校で誰とも話してないみたい・・。
- 家ではおしゃべりなのに、園や学校では全然はなしてない様子
- 内弁慶? 人見知り? 極度の恥かしがりやなの?
- どうしてかしら?
- お友達できないのかな? ママ心配・・。
Case2
- 小さいときは、普通に友達と遊んでいたのに。
- あるときを境に、パッタリ周りの子と話さなくなった。
- どうしたの?
- 仲良しのAちゃんとなら話すけど、他の子とは全然 話さない
- 音読とか発表会では声だしてるのに、それ以外では声ださない
- なんでなの?
Case3
- 先生ともお友達とも全然、話さない子。私の傍ににもいるよ。
- なんで、お話しないんだろね?
「話さないんじゃなくて、話せない。」 それが、場面緘黙症です。
場面緘黙とは、不安障害であり「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」恐怖症の一種ととらえ、治療や支援を行なうという考えが主流となっています。 体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になることもあります。
適切な支援なく学校生活をすごした場合、長期にわたるストレス状況から、うつ的症状や不登校などの二次的な問題へとつながるケースも見られます。 早い時期からの適切な対処の重要性が説かれています。
2016年にスタートした「障害者差別解消法」によって、学校や職場に対して「合理的配慮の提供」の義務が明確に示されました。
出典:かんもくネット
うちの次男 幼少期
Episode0 幼い次男
兄の幼稚園の送り迎えでも、体操教室の付き添いでも。ちょろちょろ歩きまわることもなく、いつもピッタリと私の傍にいました。 周りからは「大人しくて (手がかからなくて) いい子ね。」なんて言われていたけれど、 今にして思うと、不安が強く私から離れられなかったのかもしれません。
Episode01 年少さん
園では、たまに友達と遊ぶこともありましたが、一人遊びが多く、ほとんど周りのお友達と話しませんでした。 はじめての集団生活だし。 年齢的にも、お友達とワイワイ遊ぶというよりは、まだ一人で個々に遊ぶ時期だから、じょじょに慣れていくでしょう。 と、さほど気にとめていませんでした。
1ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎ・・ 一年たっても、ほとんどお友達とは話しません。 「何かおかしいかもしれない」と思い始めた頃でした。
Episode02 保育参観
保育参観に行くと、長男の場合は私の顔を見つけると嬉しそうに手を振っていましたが。 次男は無表情。こちらが手を振っても、笑いかけてもシカト。 硬い表情をしています。
でも、ある日の保育参観。ドア越しに私を発見した次男は、「あっ、ママだ!」と一瞬、顔を輝かせたのも束の間、私と目があうと一瞬で無表情になりました(笑)
なんだ、ほんとは嬉しんじゃん(笑)? 自分の喜怒哀楽を隠している感じです。
⇒ 場面緘黙とは、「話すのが怖い」のではなく 「自分が話す様子を人から聞かれたり見られたりすることに怖れを感じる」恐怖症の一種とありましたが、このことか・・ 次男は視線を感じると固まるようです。
Episode03 一緒に体操
保育参観では、パパと一緒に体操 ということがありました。 パパがなんとか、息子をのせようと おもしろおかしく誘いながら、一緒に体操しようとしましたが。
次男、動きがかてーよ!(硬いんです) ほとんど、踊りません。手をあげても、中途半端に半分しかあがらない。 ぽーっとしています。 「次郎、ちっとも踊らないじゃ~ん! もっと、踊りなよ~。 やる気なーぃ(笑)」と笑っていましたが。
当時はわかりませんでしたが。今にして思うと・・。 踊らないんじゃありません。やる気ないんじゃありません。 踊れないんです。
体が思うように動かせない緘動(かんどう)という状態になっていたのです。
人によって症状(話せない場面・程度)にかなり差異がありますが、話せない場面のパターンはその人ごとに一定しています。
うちの子場面緘黙症なの?チェック
では、場面緘黙症って恥ずかしがりやとどう違うの? 簡単に言うと、「話せない状況が1ヶ月以上続く」ということです。 家では話せるのに、学校などの特定の場面だけ話せなくなってしまいます。
場面緘黙かどうかの判断の基準は次の2つ(A・B)です。 ※正確な診断は、不安症や発達障害に詳しい医師や心理士、言語聴覚士がいる発達センターや教育センター、クリニックに相談しましょう。A ①「園や学校で、1ヵ月以上先生と話せないこと」または ②「園や学校で、1ヵ月以上友だちと話せないこと」または ③「園や学校で、1ヵ月以上、複数の人の前で音読や発表やスピーチがまったくできないこと」
B 「家庭でごく自然に話せていること」 ※補足あり (補足については、出典元を参照してください)
出典:NHK ハートネット福祉情報総合サイト「専門家に聞く、場面緘黙について知っておきたいこと」
そもそも、場面緘黙ってどうしてなるの? 場面緘黙症の原因とは?
- 場面緘黙って、人見知り? ただの恥ずかしがりやさんじゃないの?
- 大人になったら、自然とそのうち治るんじゃないの?
- 家庭の愛情不足なのでは?
- 親の過保護のせい? しつけの問題? 心配し過ぎでしょ?
- 少し喋れるんだから、場面緘黙ではないでしょ?
と誤解されがちですが、どれも不正解! 正しい知識が広まって欲しいです。 二次障害を防ぐためにも早期発見と周りの理解、サポートが必要です。 発症原因の背景には、遺伝の問題、発達の問題、環境の問題 いろんな要素が絡み合っているようです。 場面緘黙は症状によって次の5つのグループに分類されます。
① 場面緘黙傾向 ② 純粋な場面緘黙 ③ ことばに苦手がある場面緘黙 ※1 ④ 複合的場面緘黙(発達的問題や心理的問題の合併) ※2 ⑤ 遅発発症の場面緘黙(学校での孤立やいじめによる発症が多い) (※イギリスの場面緘黙支援の第一人者マギー・ジョンソンさんによる支援のための分類)
場面緘黙がどのようにして発症するのか? そのメカニズムはまだ研究段階ですが、発症要因(原因)は、「不安になりやすい気質」などがベースとしてあり、 そこに心理学的要因、社会、文化的要因など複合的な要因が影響しているのではないかと考えられています。
例えば入園や入学、転居や転校時などの環境の変化により、不安が高まって発症することが多く、 クラスでの先生からの叱責やいじめがきっかけとなることもあります。
出典:NHK ハートネット福祉情報総合サイト「話したいのに、話せない…。“場面緘黙”を知っていますか?」
【補足】
※1 ことばに苦手:言語の理解や表出の問題、音韻障害など、軽いコミュニケーション障害を持つ子ども。または、バイリンガルを含む
※2 複合的場面緘黙:ASDやLDなどの発達障害や心理的問題の合併
我が家の場合について、原因を考えてみる
次男の場合は、もともとの不安気質をベースに「ことばの苦手さ」や「発達の問題」があったのかもしません。
遺伝なのか?
私の母も母方の親戚もどちらかと言うと、心配性というか不安の強い家系の人でした。 私自身も子どもの頃は、「人前で発表するとか大嫌い」でした。
声が小さいのがコンプレックスだったので、クラスの男の子に「声が小さくて聞こえませ~ん!」(私は精一杯はなしているのに・・) といわれる言葉にとても傷つきました。
だからと言って、人前が苦手というわけではなく。発表会などで舞台に立つことは、わりと好きでした。大きな舞台に立つのはいいのだけれど。 カラオケだったりクラスの前で発表するときなど、近くに人の気配を感じると、とても緊張しました。 って、なんだ私もじゃん?!
私の場合は。 だから、話せないということはありませんでしたが、傍に人の気配を感じると緊張するタイプだったので。 学校での日直当番や発表の場面は、勇気がいりました。 不安になりやすい気質は、だいだい遺伝的な要素もあるのかもしれません。
でも、私も年齢とともに随分、図太くなりました(笑)
ちなみに、主人の家系も発達凸凹ADHDではないかと私は睨んでいます(秘)
【追記】
のちに発覚したことです。実は、主人の親戚に二人も緘黙の子がいることがわかりました(驚)
義母が親戚にうちの次男の様子を話したところ、「うちの子も小さい頃 そーだった。」と。 なんと!
当時は、今よりさらに緘黙に対する認知度が低い時代でしたから。当人も親も緘黙なんて言葉はもちろん知らないでしょうし。今でも、知らないと思います。
二人とも女の子で、もうすでにオバサンな年齢です。でも、大人になった今では普通に話しているようです。
遺伝、恐るべし・・
不安要素
次男がお腹の中にいたとき、引越しをして主人の家族との同居が始まりました。新居の準備、引越しの準備から慣れない同居生活。長男のはじめての幼稚園ライフ。 産前産後のしんどい時に、母である私の心理的、負担もあったのかな? 母の不安やストレスは子どもにも伝染します。
そんな背景からか、一人目よりも高齢出産の三人目よりも、次男の産後が母の体調的にもいちばんシンドい思いをしました。 と、なんでも結びつけて考えてしまいます(笑)
体質
そんな状況のもと 生まれた次男は、体や肌の弱い子でした。 幼い頃から、慢性副鼻腔炎でいつも呼吸が苦しそうで いつもぼーっとしている子でした。
乳児の頃から、睡眠時無呼吸症候群もみられ十分な睡眠がとれなかったことも成長に影響しているのでは?と思われました。 成長過程において、子どもの睡眠や呼吸ってほんとに大切です。 (ちなみに、年長の時に手術を受けて今ではスッキリ。術後は心身ともに大きく成長がみられました。)
発達の問題
場面緘黙の診断は、遠くの大きな病院へいって診察を受けたのですが。 診断のみで、その後のフォローはありません。
場面緘黙がキッカケで、年中の時に療育センターで発達検査を受けることになりました。 年中のときに受けた「新版K式発達検査」では、発達凸凹は見過ごされました。
その後、定期的に療育センターにも通いましたが、診察では現状を聞かれるのみで これといってアドバイスや対処はしてもらえません。 場面緘黙は専門家の間でもあまり知られていないので、なかなか支援が受けられない現実にぶつかりました。
当時、うちの子を担当していた先生には、 「家では話してるのに、園で話せないなんて 園や先生の問題だよー!!」 とお門違いな発言をされてガッカリしました。
ネットで調べると、どこもかしこも「早期発見、早期対応が大切!」って書いてあるけど、 誰も対処してくれないじゃないかー! どうしていいかわからない。 専門家にもめぐり合えない・・。どうすればいいんだい? と、心の中で叫んでました。
5歳の誕生日を迎えた直後、 WISC-IV(ウェクスラー式知能検査) の検査を受けたのですが・・。 表面的には、普通に見えていた次男でしたが 細部 (下位検査の項目) をみてみると。 そこではじめて、発達の凸凹 = 生きづらさ があることがわかりました。
検査の先生に、「もっと早く気づいてあげられなくて、ごめんね~」と言われた言葉が印象的でした・・。 すでに年長。もうすぐ、小学校入学だよ。 年長の時の担任からは、
- 一斉指示の通りづらさ
- 手先の不器用さ
- 折り紙など工程が複雑なものは、理解するのが難しい
と指摘をうけていました。 ⇒ その後、小学生になり、WISC-IV の結果で指摘をうけたとおり、学習を通して徐々に学習障害 (LD) の傾向にあることを感じるようになりました。 小さい頃から、兆候がでていたのですね。
今にして思えば、幼稚園のときから「一斉支持がわからない。見通しが立てられない。」など、 園生活の中での本人の困りごと、不安要因がたくさんあったのかもしれません。。 もっと、早く気づいてあげられたら、もう少し不安を軽くしてあげられたのかもしれません。
早く気づいて、先生やお友達の協力を得て、不安になる環境を減らしてあげたいですね。 うちの次男は、話せないけれど。 ホントはお友達とかかわりたいんです。 根はひょうきん者なんです。 長くなってきたので、次回に続きます。
次回は、「場面緘黙症の対応ってどうすればいい? 病院さがし」につづきます。
◆場面緘黙について簡単にわかる本 なっちゃんの声 学校で話せない子どもたちの理解のために [ はやしみこ ] |
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